─ 新卒でITの業界に入られたとのことですが、様々な業種がある中で、IT業界を目指していこうと思ったのは、何かきっかけがあったのでしょうか?
塚原:すごく正直に言うと、猛烈にITを希望したというよりは、人と人のご縁で差し伸べていただいて入ったのがITの業界だった、という形になります。
─ それはどのようなタイミングだったんですか?
塚原:ITに関わるようになったのは、大学3年生のときにインターンを経験したベンチャー企業に就職してからになるのですが。
何もない大学生活を送っている自分に、「こんな状態はちょっとどうなんだ…」と、不安になって、「何かしなくちゃ!」という思いが強くなったところで、語学が少しでも自分の武器になったらいいなと、単身でカナダに留学してみたんです。
留学から帰ってきたタイミングに、カナダに留学した自分を面白いと思ってくれた友達から連絡があり、「どうだった?カナダに留学していた先輩がいるんだけど、話しが合うかもしれないから、今度会おうよ」という話になって。
その先輩に、留学の動機を聞かれたので、「就職のために何かを身に付けたくて」と話していたら「そうしたら、ちょうど良さそうな企業があるから紹介するよ」みたいな形で、ベンチャー企業に就職、そこからIT業界に…ということになります。
─ その後、どのような転機があり、Odd-e Japanさんとの出会いに繋がっていったのでしょうか?
塚原:出会いは某転職サイトだったんです。
最初の就職先のベンチャー企業は、自分が入社して1年ぐらいで散り散りになってしまって。
その後、仲間たちと一緒にiPhoneのアプリを作る会社を設立して、4、5年ほどやっていたんです。そこで、起業して初めて開発をやることになり…。やったんですけれども、正直すごく苦手で、辛かったんですね。もちろん、独立したこともあったので、何とかやっていたんですけれども、やっぱり自分には合わないなと思っていて。
─ 開発の作業自体が、ですか?
塚原:ええ。
もう正直に言いますと、画面にたくさんの文字が出ているのすら、「うっ」と気分が悪くなってしまうような。素質として、ちょっと向いていないような気がしていたんです。
ただ、そんな私でも、新しく入社した人や、初めての人には教える立場になるんですが、まあ、グングン抜かされていくんですよ(笑)
でも、それが楽しかったというか。
そういう人たちって、プログラミングすることにはすごく没頭したがるんですが、他のことはちょっと苦手だったり。これは苦手だけど、これは得意だったり。
自分が人をマネジメントする立場になってみて、チームが機能していく喜びのようなものも感じるようになったんです。
ただ、だんだんと、僕の方から仕事を依頼して何かをやってもらう、というような、トップダウンの仕組みになってしまう状態は、組織のマネジメントの体制としてどうなんだろうと、気になってきてしまって。
そこで、開発手法やマネジメントについて色々と調べていくうちに、スクラムという考え方や、アジャイル開発という考え方に出会い、もっと知りたくなって、更に調べていたタイミングに、某転職サイトよりOdd-e Japanからのオファーが来たんです。
当初、転職する気は一切なかったのですが、日本で1番スクラムに詳しい会社だ、ということで、「これはお話しを伺うチャンスだな!」と思ってお会いしたのが、全ての始まりというか最初のきっかけでした。
─ 転職する気が無かった塚原さんの心が動いたわけですね。何が決め手になったんでしょうか?
塚原:面接の、最終会食が決め手でした。
─ 最終会食とは?
塚原:弊社の最終面談は、全社員と会食をするんです。
私のときの会食ルールは、誰か一人でも駄目と言ったら不採用、というルールでした。
─ それはすごいですね。
塚原:最初は、スクラムやアジャイル開発についての興味本位で、お話しを聞きに来ていたんですが、その時に「もっといろんな方とお会いしたいです」という自分の気持ちも伝えたら、会社側から、「じゃあ皆さんと会ってみますか」と声をもらったので、「是非!」ということで。形式としては、それが最終会食になるわけですが、そこで社員の皆さんにお会いしました。
結果として、10数名いた全員にオッケーを出してもらえて今に至るのですが、そのときに、「この社員の皆さんと、自分も一緒にやってみたい!」と思ったんです。
会食の形式と、皆さんからオッケーをいただいたという事実が、「ここで働きたい」という大きな決め手となりました。
─ 皆さんと出会ったときの印象は、どのようなものでしたか?
塚原:みんな、一人一人自分の意見をしっかり持っている、ということがすごく印象的でした。 まさに、自分が前職で改善したいと思っていた部分でもありましたし、皆さん自分を持っているところがとても魅力的で。すごくいいなと思ったんです。
─ 強いチームワークがありそうだなと感じるのですが、御社の風土や社風はどのような感じなのでしょうか?
塚原:すごいのが、みんなお酒好きな人なんです。 1~2人ほど、飲めない方がいらっしゃるぐらいで、他はみんなよく飲むんです。弊社の関連会社がクラフトビールの経営をやっていて、最終会食はそこを貸し切りで行なうケースが多いですね。
─ とってもうらやましいです!
塚原:そうですね、社風としてはそういうところがまず1つ。お酒がすごくみんな好きで、よく飲むというのはあります。
あとは、仕事をしていくと、どうしても衝突する場面もあると思うんです。
けれども、その衝突は「コト」に向かっていて、決して「人」として何かあるわけではない、という安心感のような、信頼関係のようなものも、そういう仕事以外のコミュニケーションで築かれているので。
だから、衝突したとしても、みんなちゃんと「コト」に向かって行けるんじゃないかな、と思っています。
個人的には、そういうところも、この会社の好きなところの1つです!
─ 塚原さんが感じる、Odd-e Japanの魅力は何ですか?
塚原:一言でいい言葉が出てこなくて恐縮なんですけれども…。
やはり、自分が魅力に思っていることは、みんなで会う機会が多いことです。
3ヶ月に1回、合宿という形で2日間程業務を止めて社員全員で集まって話す場があったり、先ほどもお話しましたが、最終会食みたいな形で、とにかく全員で会う機会が多いんですね。
「お互いがお互いを応援する」というような意識もあるので、だからこそ、「自分はどうしたい」という考えをちゃんと持っていなくてはいけない、というような。
業務的なことというよりは、「信頼できる仲間、自分が認めた仲間たちと『コト』に向かっていきましょう」という考え方が好きですし、そこをとても魅力に感じています。
─ 全員で集まる機会がしっかりあるとのことですが、社長と皆さんは近い関係にあるのでしょうか?
塚原:そうですね、3日間の研修を月に数回行っているような社長なので、社内にいないことが多いのですが、全員で集まる場には必ずおりますし、「なんでも話していいよ」という形で、1on1の時間も作ってもらっています。
私としては、スクラムという言葉を全く知らないときからグローバルに情報収集をして、アジャイル開発に関する各種資格を、国際レベルで認定する団体「スクラム アライアンス」から日本人として唯一「トレーナー」に公認されている方なので、今は話しているだけで楽しい、みたいな部分もあったりしますが、とにかく経歴等も独特な方なので、1on1はとても貴重な時間です。
(Odd-e Japan CEO 江端 一将ストーリー https://www.odd-e.jp/ja/stories_01/)
─社員の方々からは、表面的な関わりというのではなくて、一緒にやっていくチームという強さを感じますね。
そのような風土作りは、やはり社長が大きく影響されているのでしょうか?
塚原:あると思います。例えば、採用で毎回社員全員集めることもそうですが、言葉を選ばずに言うと、すごくコストをかけていると思うんです。採用に繋がらないことも多いですし。でも、そこまでのコストをかけてでも、「全員が採用に関わる」ということを大事にしているところに、思いを感じるといいますか。
最初は、全員を毎回こんな頻度で集めて行うなんて、理解できなかったです。
現在は社員数も増えたので、例えば、どこのチームに所属するか、で入ってきた方に対しては、その方のアピールポイントを社内のメンバーの1人が最終会食に推薦していくなど、方法もアップデートされていますが、「全員が採用に関わっていることがすごく大事なんだ」というところを、ずっと変わらずに通しているのは本当にすごいなと思います。
─ 御社の皆さまは、それぞれにとても個性的な役職名をお持ちですね!
どのように決められているのですか?
塚原:CxOは、自分で決めているんです。
社員全員が何らかの責任を持とう、自発的に会社に関わろうという意図で、自分で決める肩書になっています。
─ 塚原さんの「最高支援責任者」というのは、どのような役職なのですか?
塚原:今まで仕事をしてきた中で、人をサポートすることや、「この人は〇で、この人は△だから、ここの部分が合ったらうまくいくだろうな」ということをよく考えていて。
それがバシっとうまくはまったときの嬉しさや手応え…自分はそういった実感を得ることが好きだな、と思ったんです。
自分の成功体験や、何かいいことがあったときというのは、「この場において機能できたな」等、そういうところだったので。
それで、「じゃあ自分は最高何責任者なのか」と考えたときに、「サポートの部分になるんだろうな」そう思って「最高支援責任者」になったんです。
─ 今後、塚原さんが、やっていきたいことはどんなことですか?
塚原:私自身、スクラムを学びたくて転職してきた部分があったので、まずは、開発をしながら自分もスクラムを体験していき、身に付けていきたいなと思っています。
それが身に付いてきたら、次はOdd-e Japanの看板を自分が掲げて、様々な企業様に「こういうふうにしたらチームが良くなるよ」等、もっとスクラム支援ができるんじゃないかな、と思っているので…。
社内で、その後外に向かっていきたいな、というのが、今私が思っていることです。
─ 今、御社のことをまだ知らない会社さんに対して、どういった会社さんに知ってもらいたい/発見してもらいたい、と思いますか?
塚原:自分の業務目標にも重なる部分になるのですが、やはり開発を請ける際に、自分たちとお客様が一緒になって進んでいける会社さんだと嬉しいです。
「こういうものを作っておいてね、後はよろしくね」ですと、スクラムとは異なる開発のプロセスに近くなってしまうというか、偉い方が何か言って、後は現場で粛々とやっておいてくれ、みたいな感覚になってしまうと思うので。
それよりも、一緒にお話しさせていただきながら、業者というよりは、一緒のチームとしてやっていただけるような企業様と出会えたら嬉しいな、と思います。
─ 様々な企業様とチームを組んで、新たな展開をしていくがとても楽しみですね。
貴重なお話をありがとうございました。
会社名: | 株式会社Odd-e Japan(オッドイー・ジャパン) |
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HP: | https://www.odd-e.jp/ |
設立年月日: | 株式会社Odd-e Japan:2009年9月18日 |
代表者: | 代表取締役社長 江端 一将 |
事業内容: | コーチング、コンサルティング、システム開発 |