質問に答えるな、課題を探れートップ営業が実践する“本当のニーズ”の見つけ方
商談の中で、お客様からこんな質問を受けることはありませんか?
「これって、こういう機能はついていますか?」
「同業他社での実績はありますか?」
「他社さんと比べて、何が違うんですか?」
営業担当者としては、その場できちんと答えて安心させてあげたいもの。
しかし、時にはすぐに答えられない質問や、自社では対応できない要望をいただくこともありますよね。
そんな時、「うまく答えられなかったから、今回はダメかもしれない……」と
落ち込んでしまう営業担当者も少なくありません。
ですが、成果を出し続けるトップ営業の視点は、少し違います。
彼らは「質問に完璧に答えること」よりも、
「その質問の背景にある、相手の本当の課題」を理解することを何より大切にしています。
なぜなら、営業の役割は「質問の回答者」になることではなく
、「相手の課題解決のパートナー」になることだからです。
営業の役割は質問に答えることではなく、その質問の背景にある「本当の課題」を解決することです。
営業の仕事は「正解を答えること」ではない
「お客様からの質問には、すべて正確に答えなければいけない」
そう思い込むほど、営業担当者の意識は「回答すること」だけに縛られてしまいます。
・頭の中で一生懸命「正解」を探そうとする
・知識量で勝負しようとして、一方的に喋ってしまう
・すぐに答えられないと、焦って言葉に詰まってしまう
こうした状態に陥ってしまうのは、真面目な営業担当者ほどよくあることです。
しかし、お客様が求めているのは、必ずしも「質問そのものへのYes / Noの回答」ではありません。
実は、お客様自身も「自分が本当に知りたいこと」をうまく言葉にできず、
仮の質問として口にしているケースがとても多いのです。
本当に重要なのは、「何を質問されたか」ではなく、
「なぜ、その質問をしたのだろう?」と一歩踏み込んで考えてみることです。
要望に応えられない時こそ、質問の意図を探る
ここで、少し身近な例で考えてみましょう。
コンビニにふらっと入ったお客様が、店員さんにこう尋ねました。
「すみません、肉まんありますか?」
もし在庫がなければ、
「すいません、今切らしています」と答えるのが普通ですよね。
これは単なる「質問への回答」です。
しかし、もし店員さんが
「なぜ、この人は肉まんが欲しいんだろう?」とその背景を想像してみたらどうでしょうか。
(もしかしたら・・・)
ちょっと小腹を満たしたいだけかもしれない
外が寒いから、とにかく温かいものが食べたいのかな
忙しくて時間がなくて、昼食代わりにパッと食べたいのかもしれない
もし「温かいもので小腹を満たしたい」という背景が見えていれば、
「肉まんは切らしていますが、出来たてのピザまんや、温かいホットスナックならすぐにご用意できますよ!」
と、別の提案ができますよね。
営業の現場も、これとまったく同じです。
自社の商品で「できる・できない」の結論を急ぐ前に、
「相手はなぜそれを求めているのか」という背景のストーリーを理解することが、何より大切になります。
即答できない質問は「広く答える」というアプローチ
例えば、
新しく立ち上げたばかりのサービスをご提案している時、お客様からこんな質問をいただくことがあります。
「これ、他社での導入実績はありますか?」
まだ実績がない場合、
「いえ、まだありません」と答えるのが事実ですし、誠実な回答に見えます。
でも、それだけではお客様が本当に抱いている「何か」に応えられていません。
このとき、お客様が本当に知りたがっているのは、実績の「数」そのものではないはずです。
質問のその奥には、、、
「本当に信頼できる会社なのだろうか」
「自社の運用を任せても大丈夫なのだろうか」
「このサービスで、本当にうちの課題が解決できるのだろうか」
という、「一歩を踏み出すことへの不安」が隠れているケースがほとんどなんです。
それであれば、実績の有無にこだわる必要はありません。
「まだ立ち上げたばかりのサービスなので、このパッケージとしての実績はこれからです。
ただ、私自身が前職で類似領域のサポートを〇年経験しておりまして、
今回の会社としてのサポート体制も……」
というように、担当者の経験や、会社としての別領域での知見、
周辺にあるノウハウを丁寧にお伝えすることで、お客様の不安を解消できる可能性は十分にあります。
事実を伝えるだけでなく、相手の不安の根っこにアプローチする。
これが「広く答える」という考え方です。
成果を出す営業は、質問の奥にある課題を見ている
トップ営業と呼ばれる人たちは、答えにくい質問を受けても決して慌てません。
を受けた瞬間に「どう答えようか」と脳内を検索するのではなく、
「この質問の奥にある、お客様の本当の困りごとは何だろう?」と、
じっと相手の心に耳を傾けています。
彼らにとって、
お客様からの質問はゴールではなく、深い対話を始めるための「入り口」に過ぎません。
質問の背景を探り、相手が本当に解決したい痛みの部分(ボトルネック)を理解できれば、
たとえ最初の要望には直接応えられなくても、全く別の形で価値を提案し、信頼を獲得することができるのです。
さいごに
営業は、知識の量や、臨機応変な受け答えのスマートさを競う仕事ではありません。
また、すべての質問に100点満点で即答できる人だけが、優秀な営業というわけでもありません。
大切なのは、「質問に答えること」ではなく、「目の前の相手の課題を解決すること」。
もし次に、商談で答えに窮するような質問に出会ったときは、ぜひ心の中でこう呟いてみてください。
「なぜ、お客様はこの質問をされたのだろう?」
その小さな視点の変化が、
自社の営業組織の動きを、そしてお客様との関係性を大きく変えるきっかけになるかもしれません✨️
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株式会社エグゼクティブ 代表取締役 内山 隆
大学卒業後、東証向けソフトウェア開発を行う東京証券取引所関連のIT企業に入社。収益の柱である東証からの売上とは別に、2本目の大きな収益の柱を作るべく、販路が全くない状態で新規開拓営業を開始。パンフレット1枚を武器に、一部上場企業など未取引の企業から億単位の受注を獲得する。
約4年間で新たな収益の柱を築いた後、2002年1月、住まいのアパートの台所を本社として、 BtoB提案型商材専門の営業アウトソーシング会社「株式会社エグゼクティブ」を設立。
「俺たちを雇ってくれないか?」というキャッチコピーでゼロから市場を開拓。 創業以来、20年以上にわたり約6,000社と商談を重ね、IT、販促、人材開発、コンサルティング商材で、1,000社を超える企業から営業活動を受託。
営業アウトソーシングが一般的な業界用語になるまで市場を成長させた。依然としてBtoB提案型商材の営業難易度は高く、また近年の人手不足により営業人材の確保が難しい状況において、営業活動の「特効薬」となるべく、第一線で商談を行い続けている。