「断られる営業」の真実—それは成功への布石である
営業の現場にいると、「また断られた…」と肩を落とす瞬間があるかもしれません。毎日何十件、何百件と電話をかけても、なかなか話を聞いてもらえないことが続くと、「自分のやり方が悪いのではないか」「このまま続けて成果が出るのだろうか」と不安になることもあるでしょう。冷たい反応や厳しい言葉に心が折れそうになるのも無理はありません。しかし、それは本当にネガティブなことなのでしょうか?
ところが、成功している営業担当者は「お断り」をネガティブに捉えません。それを未来の商談につながる貴重なデータと捉えているのです。
本記事では、インサイドセールスの視点から「断られる営業」をポジティブに変換し、成果を上げるための考え方と具体的なアクションをご紹介します。
1. 「断られる営業」は本当に悪いのか?
多くの営業担当者は「電話をかけても断られるのではないか」と不安を抱えています。しかし、そもそもBtoB営業において、初回のアプローチで即時成約に至るケースは稀といえます。
多くの企業は予算やタイミング、優先事項を考慮しながら意思決定を進めます。そのため一度や二度の断りは、営業プロセスの一部と捉えるべきなのです。むしろ、断られることで以下のようなメリットが得られます。
● ターゲットの課題や興味の方向性が見えてくる
● 次回アプローチの適切なタイミングを把握できる
● 「知ってもらう」ことで将来の商談につながる可能性が高まる
営業のプロは、この「お断り」を有効な情報と捉え、長期的な関係構築に活かしています。
2. NGリストは“貯金”である|営業のデータ活用術
「断られた企業のリスト=無駄」と思っていませんか?
実は優秀な営業担当者ほど、NGリストを「未来の売上につながる貯金」として扱います。なぜなら、以下のような企業は、今すぐの成約は難しくても、適切なタイミングで再アプローチすればチャンスが生まれるからです。
● 現在は不要でも、将来的にニーズが生まれる企業
● 決裁者が変わることで状況が変わる企業
● 他社の導入事例を参考に、検討を始める企業
「一度断られたから終わり」ではなく、定期的にフォローし、情報を更新し続けることが重要です。
3. 「断り」の向こう側にある成功のヒント
① 担当者の詳細情報を記録する
「忙しいので今は無理です」と断られた場合も、相手の名前や部署、役職などを詳細に記録しておきましょう。次回の電話で「以前お電話させていただいた○○です。前回△△の件でお話ししましたが、今のご状況はいかがでしょうか?」と切り出すことで、相手の記憶に残りやすくなります。
② 過去の会話を活用する
過去の断り文句も貴重な情報です。例えば、「今は忙しい」と言われた場合、「○月頃ならお話を聞いていただけますか?」「来年度の予算検討時にご相談できればと思いますが、その時期にお時間いただけますか?」といったように、次の接触の機会を作っていくことが重要です。
③ 役員・キーマンの名前をチェック
電話をかけた際、たまたま役員が出ることがあります。その際は必ずその名前を控えておくと、「以前、御社の○○様ともお話しさせていただきまして…」と切り出すことができるため、次回架電時の信頼感が増します。
4. 「断り続けた企業」ほどチャンスが大きい理由
営業の心理学的側面として、何度も断られると相手に「申し訳ない」という感情が芽生え、次第に話を聞いてくれるようになることがあります。
特に、「断られるごとに相手の情報を蓄積し、適切なタイミングでアプローチする」ことを意識すると、「何度も連絡をくれる=信頼できる」「ここまでフォローしてくれるなら、一度話を聞いてみようか」といった心理的な変化が生まれます。
また、「○ヶ月後なら検討の余地がある」と言われた場合、そのタイミングで再度連絡を入れることで、誠実さを感じてもらえます。
5. 断られる営業を武器に変える方法|BtoB営業成功のポイント
断られる営業を前向きに捉えるための考え方をまとめます。
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・ 「断られること=情報収集」と捉える
・ NGリストを「貯金」として蓄積する
・ 担当者の詳細情報を記録し、次回に活かす
・ 繰り返しフォローで関係性を築く
・ 心理的変化を利用し、適切なタイミングでアプローチする
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営業は単なる数の勝負ではありません。戦略的に「断り」を活かし、継続的な関係を築くことで、最終的な成果につながります。
断られることを恐れず、未来の成功のために「貯金」を増やしていきましょう!
〈当社の特徴〉
1.アポイント獲得や商談実施への成果報酬型の料金体系
2.60%が1年以上契約する常連クライアント
3.メンバーの半数以上が5年以上の在籍、最長は20年。全員正社員。
4.既存顧客へのアンケートでは「営業品質が高い」「社内教育が徹底されている」との評価
株式会社エグゼクティブ 代表取締役 内山 隆
大学卒業後、東証向けソフトウェア開発を行う東京証券取引所関連のIT企業に入社。収益の柱である東証からの売上とは別に、2本目の大きな収益の柱を作るべく、販路が全くない状態で新規開拓営業を開始。パンフレット1枚を武器に、一部上場企業など未取引の企業から億単位の受注を獲得する。
約4年間で新たな収益の柱を築いた後、2002年1月、住まいのアパートの台所を本社として、 BtoB提案型商材専門の営業アウトソーシング会社「株式会社エグゼクティブ」を設立。
「俺たちを雇ってくれないか?」というキャッチコピーでゼロから市場を開拓。 創業以来、20年以上にわたり約6,000社と商談を重ね、IT、販促、人材開発、コンサルティング商材で、1,000社を超える企業から営業活動を受託。
営業アウトソーシングが一般的な業界用語になるまで市場を成長させた。依然としてBtoB提案型商材の営業難易度は高く、また近年の人手不足により営業人材の確保が難しい状況において、営業活動の「特効薬」となるべく、第一線で商談を行い続けている。