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スゴイ企業
2020/04/28

インタビュー / 対談 [デザインの企画制作販売、Webデザイン・サーバシステム構築、翻訳校正] 株式会社フルスイング

デザイナーが全力でとことん「フルスイング」できる会社を作りたかったんです。

株式会社フルスイング 代表取締役社長 前田 仁 様、セールス&プランニング 松岡 美樹 様インタビュー
(以下、敬称略)
「全力でフルスイングする秘訣」についてお話をお伺いしました。
インタビュアー:株式会社エグゼクティブ 広報 鈴木
[デザインの企画制作販売、Webデザイン・サーバーシステム構築、翻訳校正]

株式会社フルスイング
代表取締役社長
前田 仁

「やるなら、やりたいことをやろう!」29歳からの挑戦

─ 早速ですが、「株式会社フルスイング」はどのように生まれたのですか? 以前からデザインに関心をお持ちだったのでしょうか?

前田:何も経験なしで31歳から始めているんです。僕は多分、今うちにいるデザイナーさんよりも経験がなくて。

─ なぜデザインに関係する会社を作ろうと思われたのですか?

前田:もともとは新卒から建築メーカーで建材の営業をやっていたんですが、29歳のときに転職しようと決めて。

─ 30歳を手前にして、何か思うところがあったのでしょうか?

前田:29歳から30歳の、最後の1年間にやった仕事が、会社の中で1番忙しいところだったのですが、その仕事をする中で、多分「ずっとこの仕事をやるんだろうな」、「それ以上もないし、それ以下もないんだろうな」と。 それを考えたら辛いなと思って「やるんだったら、やりたいことをやろう!」と思ったのがスタートだったんです。
そこで、29歳から1年間、デザインの専門学校に通ったは通ったんですけど、では何でデザインを選んだか?と言われると、大学は経済学部ですし、正直、美術もそんなにだったので・・・なんででしょうね(笑)

─ 未経験の世界に飛び込むことに勇気が必要でしたか?

前田:専門学校を選んでいる中で、「デザインを1回やってみたいな」と思ったんでしょうね。1年間やってみると楽しくて。映画は小さい頃から好きだったのは確かなんですが、まさかそれを仕事にするとは全く思っていませんでした。

卒業後は、就職するなら、行きたい会社に行きたいなと思っていたんです。
30歳で何も条件を満たしていなかったんですが、舞台美術専門の会社に拾ってもらったのが、スタートになります。 そこから1社エンタメ系の仕事をして、2社目は商社と一緒にいろいろな業界に新規開拓をしたり、自分がやりたいと思う業界に営業に行き、自分で提案したり。
そこで、営業という仕事を経験しました。 当時はDVDとかブルーレイがまだまだ勢いがあった時代なので、そういう会社に自分が作ったデザインなどを売り込んでいって、その中で、映画会社さんと仕事ができるようになりました。
独立したのは若干騙された?(笑)というところもあるんですけど、会社の決定権がある人から「独立する?協力するよ」と声をかけていただいたのが始まりです。

─ もともと、いつか独立したいといった気持ちがあったのですか?

前田:いえ、ないです。僕はどちらかというと、誰かに付く方が好きなので。どっちかと言ったら、保守派で、新卒で入ったらその会社で一生終わるなとも思っていましたし。
独立したのは、幸いなことに色んな偶然が重なったからです。

─ ご自身の中で、独立して変わったことはありますか?

前田:1人でやっているときはいいんですけどね、変わったことといえば、「社員を食わせていかなきゃいけない」という気持ちだけです。やっていることはあまり変わらないです。

デザイナーが「全力でフルスイング」できるように

─ HPに「元気で何事もフルスイングで」とありますが、創業当初からのものなのでしょうか?

前田:僕はずっとそうです。 社名は僕が考えたものではないんですけど、「何事も全力で行く」、「フルスイング」しておけば失敗しても怒られないんじゃないかと、という感じからきています。

─ 一緒に働く皆さんもパワフルな方が多いんですか?

前田:全然いないと思いますよ(笑)。 どちらかというと、デザイナーさんは、内にこもるタイプが多いので・・・8割方そうじゃないですかね。仕事を誰にも邪魔されず、パソコンの前で1日ずっと過ごしたい人が集まっている。
僕がお客さんの窓口になっているので、うちのデザイナーさんはそういう感じのイメージで見られているんでしょうが、実際は皆さんデザインの専門学校からずっとやられていますから、僕とはタイプが違うわけです。

─ それをフルスイング、全力で、ということですね。社員さんやデザイナーさんとのコミュニケーションで意識していることはありますか?

前田:社員とは朝礼をやっていますけど、それくらいで、ほとんど無駄話をしないです。というのも、合間で喋るタイミングが合えばいいんですが、基本的にみんな作業をしている時に話しかけられたくないんです。 決して悪気があるわけではなくて、そういうもんなんですよね。
僕も含めてですが、喋りながらみんなでワーワー言いながら、みたいなのは、ほぼないです。

─ デザインなど、やることをとことん全力でできるよう、社内環境を整えてらっしゃる?

前田:そうですね。僕は前の職場でそれができなくて嫌だったので、独立したら自分が嫌だと思っていたことは無くそうと思っていて。
先輩がいる間は帰れないとか。当たり前なんですが、デザイナーは職人みたいなところがあるので、できるだけ集中できるように、もともとワンフロアの社内に壁を作ったり、部屋も区切るようにしました。

─ それは現場のデザイナーさんの方から、こういう環境がいいと声があったのですか?

前田:声があったわけではないですけど、そのほうがより集中できるんじゃないかなと。 ただ、僕が「引越しするから、これで」というようなことはないです。
みんなに必要か必要でないかと聞いてから決めているので。これらも、僕が図面を作って、こういうパターンはどうかな?と聞いて、皆さんがいいね!というものにしています。

─ よりよく働けるんだろうなというアイデアを、社員が必要と言ったら実施していく。 いいですね。

前田:そんな感じです。

─ 松岡さんがフルスイングさんと出会ったきっかけはなんですか?

松岡:前職はずっと証券会社で働いていたのですが、フルタイムで勤務しなくてはいけなくて。子どもが小学校に入学し、子どもとの時間を大切にしたいなと思って、転職活動をしました。 実は、最初は事務というお話を伺っていたんですけど、なぜか名刺に、「セールス」と書いてありまして・・・なので、今、必死で勉強しています(笑)。

前田:エグゼクティブさんが一生懸命アポイントとってくれるので、もう、僕一人では無理になってしまったので(笑)

松岡:そのアポイントを活かすために、営業もがんばっています。

前田:松岡が入るまでは、事務も営業も全部自分でやり、夜にデザインの仕事をするという生活をずっと続けていたのですが、もう、それは無理だなと思って。 外勤の営業はやったことないけれども、松岡が「外に行くのもいいかな」と言ってくれたので、営業の現場には2人で行ったり、1人で行ったりという感じやっています。

─ 外にでてみてどうでしたか?

松岡:もともとは証券会社の窓口なので、来られた方に対応する営業はしていました。ただ、お電話でアポイントを取って商談に行くということはこれまでなかったので、良い経験ができています。エグゼクティブさんが、アポイントをうまく取ってくださるので、あとは行くだけ、という感じです!

─ ありがとうございます。当社もフルスイングで活動させていただいております。

次の依頼を頂けるのは、僕ではない。デザイナーが主となって全力投球してくれるから。

─ 同業他社さんもある中で、クライアントさんがフルスイングさんを選ぶ一番の理由はどんなところとお考えですか?

前田:多分ですけど、クライアントさんにとって、うちはいろいろ言いやすいんだと思います。

─ と言いますと?

前田:特に映画関連の業界は、大御所と言われる方も多い中で、うちは結構フットワークよくやっているんだと思います。
DVDも映画公開もそうですが、発売日や公開日が決まっていて、デザインはその中の一部。業界特有のややこしいこともある中で、僕らは一応何でもやるというか、お断りすることもなく、社員も嫌な顔をせず、少々無茶なことを言われてもやる、というのが一番なんじゃないかなと思ってやっているんです。
そうすると、「次もお願い」と。僕等はそういう繋がりで成り立ってきたようなものなので。

─ そうなると、ご紹介とかも多いのではありませんか?

前田:そういうパターンが多いです。映画業界は独特なんですけど、A社にいた方がB社に転職し、B社から仕事を出してくれたり、その方が他の業界に行ったら、そこから仕事をもらったりとか。紹介してくださって、関係がなかった方から仕事をいただくとか、そういうのが一番多いです。
ただ、狭い業界なので…全然関係ない仕事をやっていきたいな、とエグゼクティブさんに営業をお願いしようと思い始めたのが3年前くらいからになります。
その前は、僕独自でボチボチ営業をしてはいたんですけど、アポイント取るのが辛かったんですよね。なんて言うか、断られるの前提じゃないですか。ショック度が作業に出ちゃうわけです。エグゼクティブさんと一緒にやるまでは、人の繋がりだけで、外に何か発信するということは、ほぼなかったですから。

─ ありがとうございます。少し難しいことでもお客様からこうしてほしいというと言われたら、デザイナーさんが嫌な顔せずにやる、というのは御社の社風なのでしょうか? そういう方が集まったということですか?

前田:僕を見本にはしていないんでしょうけど(笑)。
今でこそ営業がいますが、うちの場合、デザイナーがいて、ディレクターがいて、営業がいて、そういう縦割りみたいなのがないんですね。 例えば、僕がお仕事貰ってきたら、デザイナーに、「はい、お願い」という形で。あとはデザイナーさんが進めるわけです。色々なことを任せてやれているので、僕というよりは、各デザイナーがちゃんとやっているから、また次の仕事を貰えているんです。

仕事の依頼が会社ではなくデザイナーに付くと、その人が辞めたときにはもれなくその仕事も付いて行ってしまうので、どの会社も、一番それを嫌がるんですけど・・・でも、それは仕方がないかなと思ってます。

─ 業界的に、そういうことは多いのですか?

前田:特に映画は個人なので多いですよ。だから、会社としては作り手の個人名を出したくないので、顔を見えないようにわざとするわけです。100パーセント、どのデザイナーが作ったか分からない状態にしていてる会社もありました。

─ 御社のデザイナーの方たちは長くご勤務なさってるのですか?

前田:4年目の人、6年か7年のくらいやっている人、あとは会社を立ち上げて1年目くらいから入っている人が2人、10年くらい一緒にやっています。

─ 御社が大切にされている「風通しの良さ」が、業界的に独立や、転職が活発な中で、長く勤められる方の多さに繋がっているのでしょうか?

前田:どうでしょう(笑)。 映画の会社とかは、未経験や1年目で転職すると、ほぼ先輩を乗り越えられないといいますか、「先輩がいなくならなきゃ、ちゃんとできないんじゃないの?」みたいな世界が多くて。それが一番嫌でした。自分が作ったのに、先輩が「自分が作りました」って言うのも。
最初のうちはいいんですけど、2年も3年も経てば「自分が作ったんです」と言いたい。 いつになったら言えるのだろうかと。
お客さんも何かあれば、直接作っている人に言いたいはずなので、自分の会社では、それができたらいいなと思ってやっています。

─ デザイナーさんはそういう思いを抱えている方が多いのでしょうか?

前田:多分、一番ストレスなんじゃないですかね。
間を通すと、よく分からない伝言ゲームになるわけです。黒と言ったのが途中でグレーになって、戻すと、また同じ現象でお客さんに伝わったり・・・。すると、「あのデザイナーどうなっているの?」ということがよく起こるんです。
だから、良い意味でも悪い意味でも、自分が作ったものが評価されちゃうのですが、うちの今のやり方ならデザイナーにとって、一番やりがいがあるんじゃないかと思っています。

実は僕も女性向け商品の仕事も担当していて、プレゼンから制作までやっているんですが、お客さんはまさか僕が作っているとは思ってないから、「これはダメだね」とはっきり言ってきたり(笑)。

─ 前田社長がデザインを?!私もデザイナーの方たちが企画・制作されたと思っていた1人です(笑)。 お客様の持つイメージを表現するのは大変じゃありませんか?

前田:例えば化粧品とか、もっと若い子向けに作れませんか?と言われても中々わからないこともあって、苦戦することもありますが、期待に応えるということはできているとは思います。
あと、出会った当初の新鮮な気持ちでぶつかり続ける、マンネリ化させないということですね。マンネリ化してくると、これやってもしょうがいないよねという感じになるので、それが怖いです。 1と言われたら、1.5くらいで作ってくると思われているので、僕たちは2も3も出していかないといけない。
映画も他の業界もそうですが、制作をやりたい会社は星の数ほどあるので、その中で幸運にもやらせてもらっているわけですから、きっちりやらないといけないんです。

─ お付き合いが長い会社さんとの、意思疎通、信頼関係、そこですよね。

前田:そうですね。長くやっていることもあり、良くしてもらっています。

「何かを作り上げたい」に応えるために、挑戦し続ける

─ 相手の頭の中のイメージを形にしていく。すごいことですよね。

前田:イメージもそうですけど、今でこそ慣れましたが、撮影も大変でした。
デザインは徹夜すればどうにでもなる話なんですが、撮影だけは経験がなかったので。

─ どのように始めていったんですか?

前田:代理店から、僕に全部お願いすると言われて。うちにも女性スタッフがいますし、その時は僕じゃない方がいいんじゃないですか?と言ったんですが、「できなくてもいいから僕に」というのが先方の依頼で、それがスタートでした。
実は、最初は失敗しちゃったんです。2年目以降は問題なくやらせていただいていますけど。

─ 撮影も初めてで、独学でやられたんですか?

前田:カメラマンさんに聞いたりして。当然、タレントさんにディレクションしたこともないので、そういうところから、最初は冷や冷やものでした。
だけど、自分たちの手で描いてラフを作ったものが、具体的になって、最終的に形になるというのは、経験したことがないことだったので、やることができてすごい良かったなと思います。

─ 社長が今までやったことないことに挑戦していくということは、きっと社員の皆さんのモチベーションにも繋がっているのでしょうね。

前田:あまり気持ちを発しないので、よく分からないですけど(笑)。 会社としては、「やったことなくてやりたいこと」とか、「業務もデザインからもうちょっと広げていこうね」と、去年くらいから言っています。
なかなかできていないですけど、そういう気持ちは持ってくださいという話はしています。

─ 松岡さんは、お子さんがいらっしゃるということで、5年後10年後は、少しずつ生活環境も変わってくると思いますが、フルスイングさんで挑戦してみたいことや、やってみたいことはありますか?

松岡:全然違う業界の大きい仕事を取って、皆さんにチャレンジしてもらえたらいいなと思います。

─ 最後になりますが、どのような会社さんに御社を見つけてもらいたいな、と思われますか?

前田:業種関係なく「何かを作り上げたい気持ちや思いがある」そういう会社さんだったら、全力で協力できると思うんです。

業務の一部として「何となく、こんなのがあるからやってください」というのだと、なかなかうちのパワーは発揮できないと思うのですが、「自分のプロジェクトを完結させたいから」とか、「こういう商品を見たいから」とか、そういう方がいらっしゃったら、全力でパワーを注げますし、そこに一番やりがいを感じていますので。 出会えたらいいなと思っています。

─ 本日は貴重なお話をありがとうございました。

会社名: 株式会社フルスイング
HP: http://www.fullswing.tv/
創業: 2009年9月
代表取締役: 前田 仁
事業内容: デザインの企画制作販売、Webデザイン・サーバシステム構築、翻訳校正
(取材・記事:広報担当者)
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