“売れるまで追う”から“買いたくなるまで育てる”へ──営業スタイルの進化論

非見込み客に営業しても意味がない―そんなふうに思ってしまうこと、ありませんか。
しかし、営業の成果は「今すぐ売れるかどうか」だけでは測れません。これからのBtoB営業では、見込みがないように見える顧客をどう育て、再アプローチのタイミングを見極めるかが大きな差を生みます。
インサイドセールスや非見込み客管理が注目される今、営業スタイルの進化が求められています。

◆この記事の要約◆
これからの営業では、従来の「売れるまで追う」スタイルから、顧客が「買いたくなるまで育てる」スタイルへの転換が求められています。今すぐ買わない非見込み客でも、将来的にニーズが顕在化することがあるため、切り捨てずに関係を維持することが重要です。インサイドセールスやナーチャリングを活用して最適なタイミングで再アプローチする仕組みを作ることで、営業は短期成果だけでなく、顧客との関係性を育てる役割へと進化し、持続的な成長と競争優位を実現できます。

執筆者略歴

株式会社エグゼクティブ 代表取締役 内山 隆
大学卒業後、東証向けソフトウェア開発を行う東京証券取引所関連のIT企業に入社。収益の柱である東証からの売上とは別に、2本目の大きな収益の柱を作るべく、販路が全くない状態で新規開拓営業を開始。パンフレット1枚を武器に、一部上場企業など未取引の企業から億単位の受注を獲得する。
約4年間で新たな収益の柱を築いた後、2002年1月、住まいのアパートの台所を本社として、 BtoB提案型商材専門の営業アウトソーシング会社「株式会社エグゼクティブ」を設立。
「俺たちを雇ってくれないか?」というキャッチコピーでゼロから市場を開拓。 創業以来、20年以上にわたり約6,000社と商談を重ね、IT、販促、人材開発、コンサルティング商材で、1,000社を超える企業から営業活動を受託。
営業アウトソーシングが一般的な業界用語になるまで市場を成長させた。依然としてBtoB提案型商材の営業難易度は高く、また近年の人手不足により営業人材の確保が難しい状況において、営業活動の「特効薬」となるべく、第一線で商談を行い続けている。

なぜ「非見込み客」こそ営業成果を左右するのか

資料請求もない、アポも取れない、今は興味がなさそう——。そんな非見込み客を切り捨てる対象にしてしまっていませんか?
しかし実際には、

 ● 担当者が変わった
 ● 予算が下りた
 ● 社内課題が深まった

といった理由で、数カ月〜1年後にニーズが顕在化するケースは少なくありません。
営業側が「今すぐ売れない」と判断して切ってしまえば、その時、顧客が動いたときには他社に相談している可能性が高いのです。

“買いたくなる状態”を育てるのが営業の役割に

これまでの営業は、「売れるまで追う」スタイルが主流でした。
ですが今は、情報過多な時代。顧客が自分のタイミングで購買を決めるようになっています。
だからこそ、

 ● 課題に気づくヒントを与える
 ● 継続的に価値を提供する
 ● “思い出してもらえる関係性”を維持する

といったナーチャリング(顧客育成)の視点が、営業にも不可欠です。

インサイドセールスと育成型営業の相乗効果

この「育てる営業」の実践において、インサイドセールスは非常に重要な役割を担います。
インサイドセールスは、初期接点からの情報を顧客管理ツール(CRMやSFAなど)に記録し、見込み度の変化を可視化することで、最適なタイミングで営業に橋渡しができます。

さらに、非見込み客をCランクとして分類し、以下のような再アプローチ設計を行えば、

 ● 半年後に再架電
 ● 新製品リリース時に案内
 ● 業界イベントと連動したフォロー

といった顧客ステータス別アプローチが可能になり、成果の取りこぼしを防げます。

「追う営業」から「仕組みで育てる営業」へ

育成型営業のカギは、仕組みによる再アプローチ設計です。
属人的な勘やタイミングに頼るのではなく、

 ● 顧客ごとの反応
 ● 過去の接点履歴
 ● 次の行動予定(=To Do)

を記録・管理することで、非見込み客がBランク → Aランクへと自然に成長していきます。
こうして、「売れない顧客」も資産として活用する営業体制が整っていきます。

まとめ|営業は「関係性を育てる人」へと進化する

これからの営業に求められるのは、短期成果だけでなく、中長期で売上をつくる仕組みを構築できるかどうか。
インサイドセールスと連携し、非見込み客を育成する仕組みを持つことで、
「今は買わないけど、いつか買いたい」顧客との関係を育てることができます。
営業が売る人から関係を育てる人へ進化することで、持続的な成長と競争優位性を手に入れることができるのです。

〈当社の特徴〉
1.アポイント獲得や商談実施への成果報酬型の料金体系
2.60%が1年以上契約する常連クライアント
3.メンバーの半数以上が5年以上の在籍、最長は20年。全員正社員。
4.既存顧客へのアンケートでは「営業品質が高い」「社内教育が徹底されている」との評価

執筆者情報 <プロフィール>

株式会社エグゼクティブ 代表取締役 内山 隆
大学卒業後、東証向けソフトウェア開発を行う東京証券取引所関連のIT企業に入社。収益の柱である東証からの売上とは別に、2本目の大きな収益の柱を作るべく、販路が全くない状態で新規開拓営業を開始。パンフレット1枚を武器に、一部上場企業など未取引の企業から億単位の受注を獲得する。
約4年間で新たな収益の柱を築いた後、2002年1月、住まいのアパートの台所を本社として、 BtoB提案型商材専門の営業アウトソーシング会社「株式会社エグゼクティブ」を設立。
「俺たちを雇ってくれないか?」というキャッチコピーでゼロから市場を開拓。 創業以来、20年以上にわたり約6,000社と商談を重ね、IT、販促、人材開発、コンサルティング商材で、1,000社を超える企業から営業活動を受託。
営業アウトソーシングが一般的な業界用語になるまで市場を成長させた。依然としてBtoB提案型商材の営業難易度は高く、また近年の人手不足により営業人材の確保が難しい状況において、営業活動の「特効薬」となるべく、第一線で商談を行い続けている。


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