未来を変える営業術:眠れる非見込み客との関係を資産に
BtoB営業において「非見込み客」と聞くと、多くの場合「もう縁がない会社」と思いがちです。しかし、その非見込み客こそが、将来のビジネスチャンスにつながる「営業資産」であることをご存知でしょうか?
本記事では、「営業資産」として非見込み客をどのように管理し、いかに活用することで将来顧客に変えていくのか、その実践的な考え方と具体的なアクションについて解説します。
「非見込み客」=「未来の売上予備軍」
一般的に営業活動では、受注見込みが高い企業を優先してアプローチします。これは当然のこと。しかし、その結果として、現時点で関心の薄い企業=非見込み客は放置されがちです。
実際にはこの「非見込み客」の中に、数年後に契約に至る未来の顧客が多数眠っています。状況やニーズは時間とともに変化するもの。過去に断られた企業も、製品ラインや経営課題の変化によって、再びターゲットになり得るのです。
営業戦略において、今売れるかどうかではなく、将来の顧客候補をいかに多く、質高く蓄積できるかが重要になります。これこそが「営業資産」という考え方です。
営業資産とは?
営業資産とは、将来的に取引につながる可能性がある企業や担当者とのあらゆる関わりを記録・蓄積した情報のことです。以下のような企業が含まれます。
● 名刺交換のみで終わった会社
● 過去に断られた企業
● 問い合わせがあったが失注したリード
● ターゲットだがまだアプローチしていない企業
これらを放置するのではなく、蓄積・管理・再活用する体制が整っていれば、営業活動の幅は飛躍的に広がります。
実際の成功事例:眠っていた非見込み客が大口顧客に
たとえばあるIT系BtoB企業では、10年以上蓄積していた非見込み客のリストを定期的にナーチャリングし、半年に一度、業界ニュースや事例紹介を送っていました。シンプルな運用であるものの、そこから大手企業との大型契約が決まったのです。
また、別のメーカーでは、過去に断られた企業リストをCRMで管理し、3年後にインサイドセールスから再アプローチ。すると、業務提携先が変わっていたことで話が進み、現在は継続的な取引先になっています。
営業資産の価値は、時間が経つことで初めて顕在化することも少なくありません。
営業資産活用で得られる3つのメリット
1.営業の安定化
売上の浮き沈みに備える将来顧客リストを持つことで、継続的なアプローチが可能になります。今期が苦しい時も、数年前のリストが思わぬ打開策をくれるかもしれません。
2.リソースの最適化
整理された営業資産があれば、営業チームは優先順位を持って効率よく動けます。新規開拓にかかる時間とコストも削減できます。
3.競争優位の確立
多くの企業は、非見込み客リストを活用しきれていません。だからこそ、そこに着目することで競合と差をつける武器になります。
営業資産の整備、まず何から始めるべきか?
【情報の棚卸し】
まずは過去の名刺・リスト・商談履歴を見直し、社内にどんな非見込み客情報があるかを可視化しましょう。
【CRM・MAツールの導入・活用】
顧客管理ツールを活用することで、営業活動の履歴を一元管理します。自動でリマインドやナーチャリングができる仕組みを作りましょう。
【営業チームでの意識改革】
営業資産の重要性をチームで共有し、非見込み客へのアプローチにも価値を見出す文化を育てることが必要です。
非見込み客を眠らせないことが、新規開拓の第一歩
新しい顧客を探すことも大切ですが、まずはすでに接点を持った企業を見直すこと。それが、最も手軽かつ効果的な新規開拓です。
過去の接点には、あなたの知らない可能性が眠っています。それを眠らせておくか、未来につなげるかは、今この瞬間の判断次第です。
〈当社の特徴〉
1.アポイント獲得や商談実施への成果報酬型の料金体系
2.60%が1年以上契約する常連クライアント
3.メンバーの半数以上が5年以上の在籍、最長は20年。全員正社員。
4.既存顧客へのアンケートでは「営業品質が高い」「社内教育が徹底されている」との評価
株式会社エグゼクティブ 代表取締役 内山 隆
大学卒業後、東証向けソフトウェア開発を行う東京証券取引所関連のIT企業に入社。収益の柱である東証からの売上とは別に、2本目の大きな収益の柱を作るべく、販路が全くない状態で新規開拓営業を開始。パンフレット1枚を武器に、一部上場企業など未取引の企業から億単位の受注を獲得する。
約4年間で新たな収益の柱を築いた後、2002年1月、住まいのアパートの台所を本社として、 BtoB提案型商材専門の営業アウトソーシング会社「株式会社エグゼクティブ」を設立。
「俺たちを雇ってくれないか?」というキャッチコピーでゼロから市場を開拓。 創業以来、20年以上にわたり約6,000社と商談を重ね、IT、販促、人材開発、コンサルティング商材で、1,000社を超える企業から営業活動を受託。
営業アウトソーシングが一般的な業界用語になるまで市場を成長させた。依然としてBtoB提案型商材の営業難易度は高く、また近年の人手不足により営業人材の確保が難しい状況において、営業活動の「特効薬」となるべく、第一線で商談を行い続けている。